踏みしめて

 カメのように一歩一歩しっかり踏みしめて、前へ進んで生きたいな、と思ってます。

最悪の事態の対処はみんなで考えるべき

 先日6月15日、東日本大震災の影響による森町における不安や問題・課題について研修を受けました。

 ひとつ目は、県管理道路における道路照明の節電対策です。袋井土木事務所管内では節電当初、全照明灯1,945基の内865基(44%)を消灯しました。現在、公安委員会などから要請のあった175基を再点灯し、691基(36%)を消灯中とのことでした。

 森町内では節電当初、全照明灯224基の内160基(71%)を消灯しました。現在、85基を再点灯し、75基(33%)を消灯中とのことでした。全県では現在、10,000基の内、4,200基(42%)を消灯中とのことでした。

 本来安全上必要として設置した照明灯を、このまま消灯した状態で何事も起こらなければ、その照明灯は必要ないと判断されるのではないでしょうか?いや、絶対必要だと言うのであれば、道路照明灯を節電対象にするのは間違っているのではないでしょうか?応える側もはっきりしていなくて、どうもしっくりきませんでした。ちなみに1基あたりの消費電力は180Wで、年間15,000円の電気使用料がかかるそうです。

 ふたつ目は、太田川ダムに関する研修です。震災で決壊した福島県須賀川市の藤沼湖にあるかんがい用ダムの報道を聴いて、太田川ダムの安全性を再確認した形となりました。

 藤沼湖は貯水量約150万トンのかんがい用ダム湖で、1949年に建設された「アースフィルダム」と呼ばれる台形状に盛り土をしたダムです。1957年のダムの設計基準制定以前に建設された老朽化ダムということです。

 このダムが3月11日の地震直後に決壊し、湖水がほぼ全て流出。下流で8人の死者・行方不明者が出たそうです。

 太田川ダムの貯水量は常時満水位で480万トン、堆砂分80万トンと洪水調節分600万トンを含めた総貯水量は1,160万トンとなります。

 建設段階でも何回か説明を聞いていますが、ダム本体は重力式コンクリートダムで、太田川ダム地点で想定される最大級のマグニチュード8.4に耐えられるよう建設されているそうです。つまり、東海・東南海地震で太田川ダムが決壊することはないということで、仮に決壊したとしても、徐々に破壊され一気に壊れることはないということでした。

 東日本大震災の教訓により私たちが心配するのは、想定外の事故です。万が一何らかの原因でダムが一気に決壊してしまったという最悪の状態の時、私たちはどう対処すればいいのかまったく考えていないことは問題だと思います。当局側も、ダムが決壊した場合のシミュレーションは出していないとのことでした。

 三つ目は、浜岡原子力発電所における事故対応についてです。こちらについては中部電力のホームページにもあるように、地震・津波については今まで以上の対策を講じていくようです。

 こちらについてもダムと同じで、平常時及び想定内の災害については安全性や安心度は理解できるのですが、想定外の事故が発生した場合の私たちの対処方法はまったく考えられていません。ちなみに日本核シェルター協会の調査によると、人口あたりの核シェルター普及率は、スイスは100%、日本は0.02%だそうです。

 比較するものや基準がないと安心できないのが人間です。より便利を求め発展していくため、受益者中心の考えで基準を設け、不安要素には一切触れない触れさせない。そんな考えで事業を執行してきたのが震災前の日本だったと思います。少なくともこれからは、不安要素にもしっかり目を向け公開し、話し合いをもって互いに対処方法を考えあう姿勢で取り組んで行くべきだと思います。

 考えられる最悪の事態も想定し、それに対してどう対処するのかを、全ての国民は考えておかなくてはならないと思いました。

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