午後は分科会に分かれて研修をし、私は「確かな人権感覚をはぐくむ高等学校の取組」というテーマの分科会に参加しました。その中で、高校での実践発表が印象に残りました。
現代社会の授業では、身の回りで同和問題を感じたことのない生徒に、どのように現実感を持たせるか、それにより何を伝えるかということに、大変苦労されていることが伺われました。
日本史の授業では、ハンセン病を題材に、先ずアニメの「もののけ姫」のたたらばのシーンを使って生徒の心に切り込み、続いて律宗僧「忍性」の救済運動の話をしたところ、たった4~5分の授業にも関わらず、その後の生徒の日誌での反響が大変大きかったそうです。東大寺のすぐ近くにあるほとんど知る人もいない「北山十八間戸」に是非行って見たいとのことでした。また「枯山水」が川原者と呼ばれる差別視された人達が創ったことなども話をしたところ、これについても生徒の反響が大きかったそうです。
発表の後グループワークを実施し、同和問題について意見交換をしました。私たちの班で同意見だった事は、「地域にもよると思うが、既に過去の遺物として忘れられているのが現状。今ここで穿り返すのはいかがかと思う。」ということでした。私も同感で、もしいじめ問題の例として取り上げるのであれば、日本史のようにずっと昔の例をあげて、教育に取り入れるほうが良いのではないかと思いました。